本稿でも度々登場する、椎名誠が『週刊文春』に連載しているコラムをまとめた本。
「ひるめしのもんだい」以降、特徴的なタイトルが目を引く。
短い話をまとめたものなので、レビューというほどでもないのかもしれないが、「野菜ことば」の回は唸った。「花ことば」を知った椎名誠が、じゃあ野菜に付けるとしたら何か、という発想で書いたもの。
例えば、玉ねぎは「従順、万能、尽くす心、ひたむき、質素、永久のやさしさ」。玉ねぎは安いのにどのような料理にも使える、というのが理由。椎名誠は若い頃の貧乏暮らしや趣味のキャンプで欠かさない食材として、しばしば玉ねぎを絶賛しているのを知っていると、よくわかる。
他にも、じゃがいも、大根、ナス、キャベツの「野菜ことば」を書いているが、面白おかしく、でも妙に納得させられる話が小気味良い。長年読者をしているが、こうした発想が上手いのに感心する。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
- 2021/04/13(火) 23:10:24|
- 本トノ話
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